Xbar-R管理図まとめ

Xbar-R管理図まとめ 第67回PM

 

内部精度管理(検査室内精度管理)の最も一般的な管理図法。

つまり、臨床検査技師として検体部門で働くほとんどの場合

この『Xbar-R』管理図法を用いて日々管理することになる。

精確さの管理。管理試料を用いる方法

同一試料(コントロールやプール血清)を毎日2回以上測定し、

その平均値 Xbar測定値の差(範囲) Rを連日グラフにプロットして管理。

 

Xbar管理図

Xbar 管理図日間の平均値の偏り

同じ試料を複数回測定した場合、その測定値は正規分布を示すため、

管理幅を平均値±2SD(管理限界)、±3SD(危険限界)に設定し、

この範囲を超えた場合、是正処置をとる必要がある。

 

SD内に含まれる分布の割合

  • 平均値±3SD:全測定値の99.7
  • 平均値±2SD:全測定値の95.4
  • 平均値±1SD:全測定値の68.3

 

管理図の見方

  • 管理良好
  • シフト(Shift):移り。上方または下方に偏った値(回数は書籍によって異なる)。
  • トレンド(Trend):傾き。次第に上昇または下降する値(回数は書籍によって異なる)。
  • 大きな変動:例〈昨日管理上限+2SD付近から本日-2SD付近の値と振り幅が大きい〉

Xbar管理図の変動要因

シフト(Shift) :移り

  • 検体量の変動(分析機器の異常)
  • 試薬分注量の変化(分析機器の異常)
  • 比色計の波長選択間違い
  • 標準液の取り違い

 

トレンド(Trend) :傾き

  • 検体分注量の経時的変化(分析機器の異常)
  • 試薬分注量の経時的変化(分析機器の異常)
  • 標準液の劣化や変質
  • 試薬の劣化や変質

 

大きな変動 :極端な振り幅

  • 測定機器の不安程度
  • 温度環境の変化
  • 担当者の頻繁な交代(用手法)
  • 手技の煩雑
  • 不慣れ

 

R管理図

R 管理図:日内のばらつき

日内で同じ試料を複数回測定を行った測定値の

最大値と最小値の差(範囲:R)を管理図に記入していく。

したがって、日内誤差変動を管理している。

Rが大きいときは日内誤差変動が大きい

Rの大きさは測定項目により、その意味合いが異なってくるため、

生理的変動幅や許容誤差範囲も考慮する。

 

R管理図の変動要因

  • ピペットや試験管の汚染
  • 測定操作技術の未熟
  • 短期間の測定条件の変化

 

国家試験 67回PM10

では実際に国試を解いてみましょう!

 

Xbar-R管理図法で管理するのはどれか.2つ選べ

  1. 施設間差
  2. 標準液の劣化
  3. 検体採取の過誤
  4. 分析機器の異常
  5. パニック値の検出

 

 

解答

  1. 施設間差 ×:施設間差は外部精度管理で評価する。
  2. 標準液の劣化 
  3. 検体採取の過誤 ×:検査前における過誤のため、精度管理ではわからない。管理試料を使うため検体採取はしない。
  4. 分析機器の異常 
  5. パニック値の検出 ×:パニック値をとるのは患者検体。

答え.2、4

 

おべで(憶えて)、ねまれ

精度管理の分野って、座学だといまいち理解しづらいと思いません?

統計学が絡んでくるので難しい数式が出てきたり、

細かい条件が出てきたりで、イメージ難しい!

でも、現在は精度管理から精度保証へ、検査室の評価(ISO15189 )など、

精度管理がさらに重要視されてきています。

そりゃ、国試・認定・2級検査士にも取り上げられますよね~(;”∀”)

自分は就職して実際に精度管理を行っていくなかで

本当の理解をした口です(苦笑)

今になって、臨地実習で精度管理というものがどんだけ

検査業務において重要か結び付けていれば、

頭に入ってきやすかったな~、と後悔しています。

 

今回は内部精度管理 Xbar-Rのまとめと問題でした。

したら、まずな~( ´Д`)ノ~バイバイ

 

 

 

出典:第67回臨床検査技師国家試験問題および正答について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07a_01.pdf

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