疫学研究まとめ(観察研究)

コホート研究と症例対照研究の比較 第67回PM

コホート研究や横断研究。

名前は知っているし、内容もなんとなくはフィーリングでわかっているけど、

説明しろと言われると、ちょっと・・・なんて感じだったりしませんか?

疫学研究は、健康関連事象の分布を観察し要因を探る観察研究と、

対象者の状態のある側面を意図的に変化させ、

どのように変わるか評価する介入研究に大別されます。

今回は「観察研究」についてまとめますので、

サクッとおさらいしましょう!!

それぞれの研究の語呂合わせは内部リンクからどうぞm(__)m

横断研究、生態学的研究

記述疫学:疾病の罹患や死亡などの頻度と分布を

  • (性、年齢、職業など)
  • 地域(居住地など)
  • 時間(季節、年代など)

これらと関連させて記述し、

疾病などの発生要因について仮説を立てること。

疫学研究の第一段階

有病率罹患率を指標としている。

 

1.横断研究

  • ある一時点で行う
  • 仮説要因疾患の発生頻度を同時に測定
  • 有病率を用いる
  • 正確にできる
  • 容易にできる(シンプルな統計)
  • 低費用
  • 大きな母集団からデータ収集できる

例:食塩摂取量と血圧

内部リンク:横断研究の語呂 | ゴロ寝塾 (gappara-mochi.com)

 

2.生態学的研究

  • 個人ではなく集団(国や県)を観察の単位とする
  • 集団間の曝露と疾病頻度から要因を調査
  • 相関研究と同義[2つの要因(曝露と疾病頻度)の相関を用いる]
  • 集団で相関が認められても、個人では当てはまらないことがある

例:各国の食塩摂取量の中央値と脳梗塞の罹患率との相関を調べるもの。

 

 

コホート研究、症例対照研究

分析疫学:記述疫学(横断研究、生態学的研究)で立てられた仮説を個人単位のデータをもとに検証する。

 

1.コホート研究

  • 集団を特定の要因に曝露した曝露群、曝露していない非曝露群に分ける
  • 長期間にわたり追跡
  • 両群における疾病の発生率を比較

例:対象の集団を喫煙者(曝露群)と非喫煙者(非曝露群)にわけ、追跡調査し

各集団からの肺癌の発生状況を調べる。

内部リンク:コホート研究の語呂 | ゴロ寝塾 (gappara-mochi.com)

 

2.症例対照研究 

  • ある疾病の罹患群(症例)と非罹患群(対象)を設定
  • 両群の過去に遡り調査(後ろ向き研究)
  • 調査内容は仮説要因の曝露有無
  • 要因と疾病の関連性を調べる

例:肺癌患者群(罹患群)と肺癌ではない群(非罹患群)を設定し、

両群の過去に遡って喫煙(仮説要因)の有無を調査する。

内部リンク:症例対照研究の語呂 | ゴロ寝塾 (gappara-mochi.com)

  

国家試験 67回PM91

では実際に国試を解いてみましょう!

 

ある疾患の有病率を調べるために行うのはどれか.

  1. 横断研究
  2. コホート研究
  3. 症例集積研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 

解答

  1. 横断研究 一時点の曝露と疾患の発生を有病率を用いて調べる
  2. コホート研究 ×:曝露群と非曝露群を長期間追跡調査
  3. 症例集積研究 ×:ある疾患をもつ患者集団のみ対象
  4. 症例対照研究 ×:過去に遡って曝露の有無を比較
  5. 生態学的研究 ×:集団単位のデータによる曝露と疾病頻度比較

答え.1

 

ゴロみて、ねまれ

今回の国家試験問題はちょっと難しいですね~

「有病率」を調べるための研究は~、てそれぞれの研究の手法がわかっていないといけませんし、

記述疫学の横断研究と生態学的研究に絞れたとしても、2択で悩んでしまいますよね(-“-;A …アセアセ

語呂合わせでポイント押さえておきましょう!

 

今回は疫学研究(観察研究)のまとめでした!

学術発表や論文制作の調査の骨組み、基礎となる部分です!!

ここの研究デザインがブレていると、途中から研究をどう進めたらいいのか迷子になっちゃいますよ~

しっかり押さえておきましょう(*^-^*)

せばまだな~(@^^)/~~~

 

 

出典:第67回臨床検査技師国家試験問題および正答について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07a_01.pdf

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