CRP、CRPってよく現場ではこの言葉聞くんですが、
炎症マーカーだということぐらいで、終わらせていませんか?
「CRPあるから赤沈の検査やらなくていいじゃん。時間長いし...」
とか思っていませんか??
検査のCRPが関わるものについて、まとめておきます!
おさらいしましょう!!
CRP産生機序
- 炎症(感染や外傷による組織障害)
- 組織内マクロファージなどが、多様なサイトカイン放出
- 放出されたIL-6(炎症性サイトカイン)が肝細胞に作用
- 急性期蛋白(CRP、ハプトグロビン、セルロプラスミンなど)産生
蛋白質は肝臓で産生されることは覚えておきましょう!
CRP(C反応性蛋白)の特徴
- 肺炎球菌のC多糖体と沈降反応
- Ca2+を介した結合
- 補体活性化(古典経路)
- オプソニン作用:貪食亢進)
- 産生刺激:IL-1、IL-6、TNF-α
- 動的栄養指標(低栄養or炎症の判別)
- 血中半減期8時間
- 電気泳動でγ‐グロブリン分画
炎症マーカー検査の比較
CRPの値だけで炎症がないとか、炎症の程度を判断するのは危険です。
CRPは急性炎症でおよそ6時間後に増加し始め、2~3日でピークに炎症の沈静によって速やかに減少します。
早期に診断したい時は白血球数(WBC)に頼るしかありません(数時間で上昇)。
またCRPが必ずしも上昇しない炎症として
- 感染症:ウイルス感染、真菌感染、寄生虫感染
- 膠原病:SLE、強皮症、皮膚筋炎、シェーングレン症候群
- 悪性腫瘍:白血病、悪性リンパ腫
- 梗塞:脳梗塞
- 他:虫垂炎、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、肝硬変、妊娠
などがあります。
逆に脱水症状ではCRPの上昇がみられることがあります。
これらのケースはCRPだけで判断することができないため、白血球数や赤沈の検査で総合的に判断しなければいけません。
また、蛋白分画はM蛋白の検出が主な用途ですが、
急性炎症ではα2‐グロブリンが、慢性炎症ではγ‐グロブリンが上昇します。
ここから炎症が急性か慢性か判別することが出来ます。
炎症で血中濃度が変化する蛋白は内部リンクから
炎症で減少する蛋白 | ゴロ寝塾 (gappara-mochi.com)
国家試験 67回PM89
では実際に国試を解いてみましょう!
CRPについて誤っているのはどれか.
- 肝臓で産生される.
- オプソニン作用がある.
- 急性相反応物質である.
- 肺炎球菌に対する抗体である.
- インターロイキン6〈IL-6〉により誘導される.
解答
- 肝臓で産生される.○
- オプソニン作用がある.○
- 急性相反応物質である.○
- 肺炎球菌に対する抗体である. ×:抗体ではなく蛋白
- インターロイキン6〈IL-6〉により誘導される.○
答え.4
おべで(憶えて)、ねまれ
炎症マーカーにはそれぞれに存在意義があるんですね!
ここ数十年、CRPだけが重要視されていますが、CRPだけでの判断は誤診につながりかねないので、メリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう!!
今回はCRPの要点まとめでした。
せばまだ今度な~(*’▽’)
出典:第67回臨床検査技師国家試験問題および正答について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07a_01.pdf
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