CRP(C反応性蛋白)の要点まとめ

CRPの要点まとめ 第67回PM

CRP、CRPってよく現場ではこの言葉聞くんですが、

炎症マーカーだということぐらいで、終わらせていませんか?

「CRPあるから赤沈の検査やらなくていいじゃん。時間長いし...」

とか思っていませんか??

検査のCRPが関わるものについて、まとめておきます!

おさらいしましょう!!

 

CRP産生機序

  1. 炎症(感染や外傷による組織障害)
  2. 組織内マクロファージなどが、多様なサイトカイン放出
  3. 放出されたIL-6(炎症性サイトカイン)が肝細胞に作用
  4. 急性期蛋白(CRP、ハプトグロビン、セルロプラスミンなど)産生

 

蛋白質は肝臓で産生されることは覚えておきましょう!

 

CRP(C反応性蛋白)の特徴

  • 肺炎球菌のC多糖体と沈降反応
  • Ca2+を介した結合
  • 補体活性化(古典経路)
  • オプソニン作用:貪食亢進)
  • 産生刺激:IL-1、IL-6、TNF-α
  • 動的栄養指標(低栄養or炎症の判別)
  • 血中半減期8時間
  • 電気泳動でγ‐グロブリン分画

 

炎症マーカー検査の比較

CRPの値だけで炎症がないとか、炎症の程度を判断するのは危険です。

CRPは急性炎症でおよそ6時間後に増加し始め、2~3日でピークに炎症の沈静によって速やかに減少します。

早期に診断したい時は白血球数(WBC)に頼るしかありません(数時間で上昇)。

またCRPが必ずしも上昇しない炎症として

  • 感染症:ウイルス感染、真菌感染、寄生虫感染
  • 膠原病:SLE、強皮症、皮膚筋炎、シェーングレン症候群
  • 悪性腫瘍:白血病、悪性リンパ腫
  • 梗塞:脳梗塞
  • 他:虫垂炎、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、肝硬変、妊娠

などがあります。

逆に脱水症状ではCRPの上昇がみられることがあります。

これらのケースはCRPだけで判断することができないため、白血球数や赤沈の検査で総合的に判断しなければいけません。

 

また、蛋白分画はM蛋白の検出が主な用途ですが、

急性炎症ではα2‐グロブリンが、慢性炎症ではγ‐グロブリンが上昇します。

ここから炎症が急性か慢性か判別することが出来ます。

炎症で血中濃度が変化する蛋白は内部リンクから

炎症で減少する蛋白 | ゴロ寝塾 (gappara-mochi.com)

 

国家試験 67回PM89

では実際に国試を解いてみましょう!

 

CRPについて誤っているのはどれか.

  1. 肝臓で産生される.
  2. オプソニン作用がある.
  3. 急性相反応物質である.
  4. 肺炎球菌に対する抗体である.
  5. インターロイキン6〈IL-6〉により誘導される.

 

 

解答

  1. 肝臓で産生される.○
  2. オプソニン作用がある.○
  3. 急性相反応物質である.○
  4. 肺炎球菌に対する抗体である. ×:抗体ではなく蛋白
  5. インターロイキン6〈IL-6〉により誘導される.○

答え.4

 

おべで(憶えて)、ねまれ

炎症マーカーにはそれぞれに存在意義があるんですね!

ここ数十年、CRPだけが重要視されていますが、CRPだけでの判断は誤診につながりかねないので、メリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう!!

 

今回はCRPの要点まとめでした。

せばまだ今度な~(*’▽’)

 

 

 

出典:第67回臨床検査技師国家試験問題および正答について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07a_01.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました